▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼
                            2006年3月24日
           【ビミョーな言葉研究所】        第 170号
                            発行部数5915部
▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼
                    ◎等幅フォントでご覧ください◎
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
今┃週┃の┃ビ┃ミ┃ョ┃ー┃
━┛━┛━┛━┛━┛━┛━┛

 今日も、ボリュームのある「第2研究室」↓へどうぞっ♪
 少しずつ、じっくりしっかり自分のモノにしましょうね☆

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

                 ◎

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
第┃2┃研┃究┃室┃  ◆◆ 来れない・来られない、どっち? ◆◆
━┛━┛━┛━┛━┛

 ┌−【Kさんからのメール(編集)】−−−−−−−−−−−−−−−┐
 |                               |
 | すごーく基本的な質問なのですが、「来る」の可能不可能を表す |
 | 場合の正しい活用が分からなくて悩んでいます。        |
 |                               |
 | 日本人としては「来られない」が正しいと思っていたのですが、 |
 | 漢字検定1級保持者のイタリア人に「来れない」が正しくて、  |
 | 「来られない」は話し言葉だと言われてしまいました。     |
 | ここにもそう書いてあるとイタリア語で書かれた日本語文法書を |
 | 見せられたのですが。。。                  |
 |                               |
 | 広辞苑を見てみたところ、「来られない」でいいような気がする |
 | ので、ぜひご意見をお聞かせ下さい。             |
 |                               |
 └−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−┘

  ▲和田)結論から言うと【来られない】が正しい用法です。

  【来れる】は、いわゆる「ら抜き言葉」で、
  そのイタリア人さんがおっしゃるのとは逆に、
  こちらのほうが話し言葉として使われることが多いと思いますよ。(^^)


  助動詞の【れる・られる】は「受け身・自発・可能・尊敬」の意味で使い
  ますが、上に来る動詞の活用によって使い分けます。

   【れる】……五段・サ変動詞の未然形に接続。

   【られる】…上一段・下一段・カ変動詞の未然形、
         助動詞「せる・させる」の未然形に接続。

  ご質問の【来る】は「こ・き・くる・くる・くれ・こい」と活用する
  カ行変格活用(カ変)の動詞です。(カ変の動詞は「来る」一語だけです)

  ですから【来る】の未然形【来(こ)】に【られる】が続いて
  【来られる】とするのが正しい用法なのです。



  ▼ポイント1『可能動詞』との混乱

  『可能動詞』とは「泳げる・書ける」のように可能の意味を持つ動詞です。
  これは五段活用の動詞を下一段に活用させたもので、
  五段活用以外の動詞では『可能動詞』は作れません。
                     ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
  例えば【作る(作られる)】は五段ですので【作れる】という『可能動詞』
  ができますが、【来る(来られる)】は五段ではないので、五段に倣って
  【来れる】とはできないのです。

  ラ行五段活用の動詞については混乱しやすいので、注意しましょうネ!


―<復習memo>―「ラ行五段活用の動詞とは?」

   (未然) (連用)(終止)(連体)(仮定)(命令)(未然) 
  「作らない・作ります・作 る・作る時・作れば・作れ・作ろう」
     ̄     ̄      ̄   ̄    ̄    ̄   ̄
  ↑下線部分が「ら・り・る・る・れ・れ・ろ」とラ行で五段活用する動詞。


  ▼ポイント2「尊敬」(および受け身・自発)との区別

  ただ、言葉は変遷するものですから、正しい用法とは別に
  いろいろな意見をお持ちの方がいらっしゃるのも事実です。

  【来られる】だと「可能」の意味なのか「尊敬」の意味なのか判別しにく
  い場合もあるので、「可能」のときは【来れる】としたほうが良いという
  意見もあるようですね。(通常は文脈で判断できると思いますが)


          ……しかし、漢字検定1級保持者のイタリア人ですか。
            ちょっとビビっちゃいますネ! (^o^)<チャオ♪ 
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

                 ◎

━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━
編┃集┃後┃記┃☆┃
━┛━┛━┛━┛━┛

 前号で取り上げた「週の初めは何曜日?」について、
 アメリカ在住の読者さんからメールをいただきました。

 アメリカの【Weekend】も、一般的には「金曜夜から日曜夜まで」のことを
 いうそうです。

 さらに、すごい?発見を教えてくださいました。
 なんと、これには国際標準規格(ISO 8601)があって、
 それによると、週の初めは「月曜日」になっているそうです!

 ただ、前号にも書きましたが、「日曜日を週の第1日」とするのには
 安息日やイエス・キリストの復活した日など諸説あるようですので、
 そのことも頭の隅に置いておくといいですネ。


 また、前号の編集後記で、私の本が香港の旭屋書店で第3位になったことを
 お知らせしたところ、香港在住の読者さんからもメールをいただきました。

 外国に住んでいると日本語に敏感になる、特に子供に正しい日本語を教えな
 くてはと切実です、という内容でした。
 私の本が少しでもお役に立てれば幸いです。<(_ _)>

━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━
┌─┴──────────────────────────────┴─┐
│最後までお読みいただき、ありがとうございました。春はまだですか?(寒│
└──────────────────────────────────┘