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           【ビミョーな言葉研究所】     2004年2月13日
                                第60号
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                     ◎等幅フォントでご覧下さい◎
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今┃週┃の┃ビ┃ミ┃ョ┃ー┃>>>>>>>>>>「超える」と「越える」
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 ●超える
  一定の分量・限界を過ぎて先に行く。ある基準・数値を上回る。

  ▽例▽
   気温が30度を超える・定員を超える・過半数を超える・世代を超える
   世界記録を超える・体力の限界を超える・予想を超えた被害
  
 ●越える
  ある地点や物の上、時期を通り過ぎて、その先まで進む。年月を経る。

  ▽例▽
   山を越える・壁を越える・ピークを越える・K点を越える・冬を越える
   権限を越える・素人の域を越える・返済期限を越す


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私┃的┃考┃察┃  ▲今週のテーマはSさんからのリクエストでした〜♪
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 これはかなりムズカシイ…。

 「国境を越えて亡命する」というふうに、国境は越えるモノですが、
 比喩的に「国境を超えた愛」などと使うこともあります。

 「60の坂を越える」と書きますが、「60歳を超える」と書きます。

 「勝ち越し・持ち越す・見越す」など、他の動詞と複合する場合は、
 一般的に「越」を使います。


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第┃2┃研┃究┃室┃  ◆◆ 「続・各 位」 ◆◆
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 先週号で「各位様」についてアンケートをとらせていただきました。

 Q.あなたは「各位様」をどう思われますか?

   A.おかしい。間違ってる。(388人)
   A.別にかまわない。慣用で使ってもいいと思う。(20人)


 ▲和田)アンケートには408名の方にお答えいただきました。
     ご協力ありがとうございました。<(_ _)>

     結果はご覧のとおり、約95%の人が「おかしい」と感じて
     おられます。

     ただ、たとえわずかでも、「慣用でOK」というご意見があ
     るのも見落としてはいけませんネ。
     
     読者さんから、たくさんのご意見メールをいただきましたので、
     ご紹介させていただきま〜す♪(抜粋・編集をしてあります)


 -【Iさんより】-------------------------------------------------

  私は、子どもの学校で卒対の委員になってしまって(号泣)、保護者
  の方々へのいろいろな通知の文書を作っています。

  保護者あてのお知らせ文書ですから、「第三学年保護者 各位」とす
  るのが当たり前と思い、そうしたところ、委員長から「まった」がか
  かり、「今はやわらかい感じにするために、様、を使うのよ」と言わ
  れました。

  「第三学年保護者 様」だそうです。


 -【Kさんより】-------------------------------------------------

  「各位」は回覧板や案内文書等でよく見かけるあて先ですが、「各位」
  ということは、それぞれの家や人に「位」があって、それぞれの「位」
  の高さがばらばらなので、受け取った人それぞれに対応できるように
  「各」の「位」の方へという意味ではないでしょうか?

  今の時代、家に「格式」や人に「位」なんて存在しませんよね。
  その書き方自体が昔風であり、高い位の人もいれば低い位の人もいる
  という意味で、人権的に差別的であると感じます。

  「地域の皆様へ」や「社内の皆様へ」のほうがよいのではないでしょうか?


 -【Oさんより】-------------------------------------------------

  今号の「各位様」のお話、興味深く拝読いたしました。

  私の職場でも、学生が受験に必要な書類を出すのに「殿御中」と書いた
  のを見て思わず笑ってしまいました。

  友人の職場では、新人に「相手の会社に出す手紙は『御中』をつけるのよ」
  と教えたところ『WANT YOU』と書いていたそうです。(爆笑)


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  ▲和田)さまざまなご意見をありがとうございます。

    ネットでいろいろと調べてみますと、ある県の県政モニターさんが、
    「“各位”と書くのは人権問題ではないか」というような意見を出さ
    れていました。

    それに対する県側からの回答を要約しますと……

   ――「各位」という言葉の意味は、広辞苑などの辞書では「皆様方、
     皆様」とされている。

     国立国語研究所発行の「言葉に関する問答集」によると「各位」
     の『位』は、「皆様方それぞれ」の意味と述べられている。

     よって、文書のあて名に「各位」を使用することは、敬意を表現
     している言葉であり、人権問題の上から特に問題はないものと考
     えている。
   ――

    辞書に載っていることが必ずしも正しいとは言えませんが(爆弾発言?)
    「どっち?」と迷ったときには、やはり辞書がよりどころとなります。

    ただ、「各位」という言葉一つをとってみても、人それぞれの感じ方
    があるのだということを知っておくのは、大切なことだと思います。


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vvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvv★ 読者のWA! ★vvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvv
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 先週号のビミョー「煮ると炊く」にも、たくさんメールをいただきました。
 2研の「各位」と合わせて16通もいただき、感謝感謝のうれしい悲鳴です。

 もう今号は長くなっちゃったついでに、いっぱいご紹介しちゃいま〜す!
                     (抜粋・編集をしてあります)

 -【Mさんより】-------------------------------------------------

  ああ!先にやられてしまった!
  実はもう半分以上かいてたんです、「煮ると炊く」。

  ▲和田)読売テレビアナウンサーの道浦さんからです。
      どうやら見事にネタがかぶったようです。(笑)

      道浦さんの『平成ことば事情』はコチラ↓
       http://www.ytv.co.jp/announce/kotoba/

      「ことばの話1582」です。
      ビ研のこともご紹介いただいてマス。(^^*)


 -【Sさんより】-------------------------------------------------

  西日本では「大根を炊く」というのですね。
  今まで知らなかったのでビックリしました。
  こちらは東北ですが、「大根を煮る」とは言いますが「大根を炊く」
  とは言いません。


 -【Fさんより】-------------------------------------------------

  今回の「にる・たく」で思ったのですが・・・
  用例の「大根を炊く」と有りました。
  おそらく、京都のお寺で、師走の風物詩となっているモノのことだと
  思います。
  三宝寺、千本釈迦堂、了徳寺などが有名です。

  下のサイトの写真は了徳寺の”大根焚き”です。お借りしました。
   http://hp1.cyberstation.ne.jp/kyoto/daikodaki.html
 

 -【Tさんより】-------------------------------------------------

  東京育ちの私が夫の転勤で大阪に住み、初めて魚屋さんに行った時。
  たらこに似て、ちと違う物体。”たいのこ”でした。

  料理もろくろく出来ない私が勇気を持ってお店のおばさんに聞きました。
  ”どうやって食べるのですか?”
  ”炊いたらええねん。”
  ”え?炊く?!炊飯器に入れるんですか?!”

  このときの、あのおばさんの飽きれた顔は忘れられません。


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  ▲和田)炊飯器にはお米を入れましょう。(笑)

    あれから、カボチャ、ヒジキ、おでんを炊きました。
    やっぱり「炊く」って言いますぅ〜!


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編┃集┃後┃記┃
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 「美しい」という言葉に、やはりオンナは弱いのです。

 ビ研のことを「見やすく読みやすく、美しいメルマガ」とおっしゃってくだ
 さった方がいらっしゃいます。
 ビ研創刊の背中を押してくださったT先生です。

 すっかりごぶさたしているにもかかわらず、先生の方からメールをくださり、
 完全に舞い上がってしまって、仕事が手に付きませんでした。おいおい(^^;)

 美しいメルマガ……美しいメルマガ…… ああ! なんてステキな言葉〜♪


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 最後までお読みいただき、ありがとうございました。今号は長くてゴメン!
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